分科会C「差別の連鎖を断つ」の報告
2024年5月12日(日)に札幌市の北海道立民族活動センター8階820会議室の「差別の連鎖を断つ」分科会Cに参加した。
差別の連鎖を断つという視点で、ハンセン病問題、アイヌ民族の差別、旧優生保護法での強制不妊手術、薬害エイズの被害者の当事者からの報告から始まり、共通している問題点を抽出してその課題を分科会で検討した。
第1部としてその内容について、当事者からのそれぞれの報告があった。
ハンセン病:強制隔離として
全国ハンセン病療養所入所者協議会会長の屋猛司氏からの報告は、らい予防法違憲国家賠償請求訴訟についての内容であった。
旧優生保護法国賠訴訟
旧優生保護法:強制不妊手術については、小島喜久夫さんから被害の実態について、同意なく手術を受けさせられたとの報告があった。
また優生保護法の裁判については、2024年5月29日に最高裁大法廷で、被害者の小島喜久夫さんの最終弁論があった。「自分で人生を決めたかった。私たちの人生は戻らない。せめて国が間違いを認めて下さい。」結審は7月に予定されている。
アイヌ民族:アイヌ文化伝承者として、多原良子さんからは、アイヌ民族への差別的投稿について報告であった。
薬害エイズの井上昌和さんは、血友病という難病に生まれ、HIV(エイズウイルス)に汚染された被害についての報告があった。
第2部として、共通の差別の課題について検討をした。
人権保障についての法廃止後も国の検証・対応がなく、人権侵害が著しく遅延・不十分であった。
そして、当事者運動の展開の方法について課題と法や施策の現状と課題について検討した。
まとめとして、弁護士の徳田靖之さんから、明らかになった課題につて、参加者自身が自分のこととして捉え、共通の目標を設定して活動することが、差別の連鎖を断つ方法であるとの発言があった。
さらに、わたしはアイヌ文化についての実態について次の場所で考えた。それについて報告をする。
訪ねた場所は、札幌市の北海道大学植物園の中にある北方民族資料館でアイヌ文化に触れた。先住民としてのアイヌ人たちの生活の様子が展示されていた。基礎知識を理解するために北海道立民族活動センターにある展示室での紹介映像、年表そして知里幸恵の『アイヌ神謡集』に触れた。さらに翌日地下鉄で新札幌駅に行き、開拓村行きのバスで北海道の中核的北海道博物館でアイヌ民族と北海道開拓の関係を北東アジアの視点で捉え直した。(運営委員 疋田 邦男)