菊池恵楓園でのシンポジウムに参加しました
熊本県合志市にある国立療養所菊池恵楓園で、2月23日(金)、シンポジウム「市民が支えるハンセン病療養所へ」が開催されました(主催は「菊池恵楓園の将来を考える会」)。会場とオンラインを含め約120名が参加され、アンケートでは大変好評でした。シンポジウムの様子は、地元テレビのほか、翌日の熊本日日新聞や毎日新聞の朝刊でも取り上げられていました。
国立ハンセン病療養所では、入所者の高齢化に伴う入所者の減少に伴い、一般社会と遜色のない医療・看護・介護の維持が求められていることはもちろんですが、入所者の方々の人権の擁護や、療養所の将来構想、療養所を一体的に保存管理し、人権教育・啓発の場として永久保存することなど、多くの喫緊の課題が残されています。これらの課題に、市民が主体的にかかわっていくためにはどうすればよいのかについて、議論がなされました。
ゆいの会からも、近藤剛代表理事がパネリストで参加しました。主催者から、岡山での市民としての活動等を紹介してほしいとの要望がありましたので、ゆいの会が、市民からの募金をもとに取り組んできた長島愛生園の十坪住宅修復保存運動や、台湾の楽生療養院で実際に見聞きした、大学生や市民が、長年にわたり、入所者の命と生活を守る活動をしていることなどを楽生療養院での地下鉄操車場建設抗議運動を例に紹介し、またハワイでは、1980年に入所者や市民の力で「カラウパパ国立歴史公園」が設立され、ハンセン病回復者の人権を守りつつ、後世に歴史を継承する努力が行われていることを紹介しました。
今回のシンポジウムに参加し、私たちには、今、人権の現場であるハンセン病療養所を訪づれ、入所者の方々が人権を守るために闘ってきた歴史を学び、そのことを通じて、自分の周りにあるさまざまな問題において、人権や人間の尊厳を守るために、自ら行動することが求められている、という思いを強くしました。